老犬が急に水をたくさん飲むようになったり、反対にあまり飲まなくなったりすると、とても心配になりますよね。
シニア犬は、食事内容や気温、活動量によって水を飲む量が変わることがあります。ただ、飲水量の変化に加えて、尿の量や回数、食欲、元気、体重、トイレ失敗などが変わっている場合は注意が必要です。
飲水量の目安だけで判断するのではなく、増えた・減ったときに一緒に見たい変化や、動物病院へ相談したいサイン、自宅でできる記録方法を確認していきます。

老犬の水を飲む量はどれくらいが目安?
犬の飲水量は、体重や食事内容、気温、活動量によって変わります。「この量でなければおかしい」という絶対的な基準はなく、普段の飲水量との差を見ることが大切です。
体重1kgあたり40〜60ml程度がひとつの目安
一般的に犬の1日の飲水量は、体重1kgあたり40〜60ml程度がひとつの目安とされています。ただし、これはあくまで参考値です。食事の内容や季節、体調によって大きく変わります。数値だけで判断せず、普段との差に注目しましょう。
体重別の飲水量早見表
体重別の目安として、以下の表を参考にしてください。
| 体重 | 1日の飲水量の目安 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 3kg | 約120〜180ml | 小型犬は少しの変化にも気づきやすい |
| 5kg | 約200〜300ml | 普段の飲水量との差を確認する |
| 10kg | 約400〜600ml | 尿の量や回数も一緒に見る |
| 15kg | 約600〜900ml | 食事内容や気温の影響も考える |
| 20kg | 約800〜1200ml | 急に増えた場合は記録して相談 |
上記はあくまで目安です。実際の飲水量は、食事内容や気温、運動量、体調によって変わります。数値だけで判断せず、普段の量と比べて変化を見ることが大切です。

食事内容・気温・運動量でも飲水量は変わる
ドライフード中心の食事では水を飲む量が多めになる傾向があります。一方、ウェットフードやふやかしごはんを食べていると、食事から水分を取っているため水を飲む量が少なく見えることがあります。また、暑い季節や運動後は飲水量が増えるのは自然なことです。「いつもより多い・少ない」という変化を見ることが重要です。
普段の飲水量を知っておくことが大切
変化に気づくためには、普段の飲水量を知っておくことが大切です。毎日決まった量の水を入れ、夜に残った量を確認する習慣をつけておくと、変化に早く気づけます。
老犬が水をよく飲むようになったときに確認したいこと
急に水をよく飲むようになったときは、飲水量だけでなく、他の変化も一緒に確認することが大切です。
尿の量や回数も一緒に増えていないか
水をよく飲むようになったとき、尿の量や回数も一緒に増えていないか確認しましょう。水をたくさん飲んでたくさん尿が出る「多飲多尿」は、腎臓、糖代謝、ホルモンなどに関係する病気と関連していることがあります。病名を決めつけることはできませんが、急に増えた場合や数日続く場合は相談の目安になります。
トイレ失敗が増えていないか
飲水量が増えると、尿の回数も増えてトイレ失敗が起きやすくなることがあります。トイレ失敗が増えている場合は、飲水量だけでなく排尿の変化も合わせて見てみましょう。
水を飲む量だけでなく、トイレ失敗も増えている場合は、関連記事「老犬のトイレ失敗が増えたときの原因と対策」も参考にしてください。
食欲・体重・元気に変化がないか
水をよく飲む変化と同時に、食欲が落ちていないか、体重が減っていないか、元気がなくなっていないかも確認しましょう。寝ている時間が増えた、ぐったりしているなどの変化がある場合は、早めの相談が安心です。
多飲多尿が続く場合は病気が関係することもある
老犬の多飲多尿は、老化の一部として起こることもありますが、腎臓、副腎、すい臓などの病気が関係している可能性もあります。老化だけと決めつけず、変化が続く場合は動物病院へ相談しましょう。
| 変化 | 一緒に確認したいこと | 相談目安 |
|---|---|---|
| 水をよく飲む | 尿の量・回数・トイレ失敗 | 急に増えた、数日続く、元気や食欲の変化がある |
| 水を飲まない | 食事内容・口の痛み・寝床からの距離 | ぐったり、歯ぐきが乾く、尿が少ない |
| 夜中に水を飲む | 暑さ・食事・尿の回数 | 急に始まった、夜間の排尿が増えた |
| 飲む場所が偏る | 水飲み場の高さ・置き場所 | 足腰の弱りや移動のしにくさがある |
| 尿の回数が増えた | 水を飲む量・尿の色・トイレ失敗 | 血尿、排尿しづらい様子、失禁がある |

老犬が水を飲まない・飲む量が減ったときに確認したいこと
水を飲まなくなったり飲む量が減ったときも、いくつかの点から確認してみましょう。
ウェットフードやふやかしで水分を取っている場合もある
ウェットフードやふやかしごはんは水分を多く含んでいます。そのため、食事から十分な水分を取っている場合、水を飲む量が少なく見えることがあります。食事内容も合わせて確認してみましょう。
水飲み場まで行きにくくなっていないか
老犬は足腰が弱くなると、水飲み場まで移動するのが大変になることがあります。水飲み場が遠い、段差がある、床が滑るなどの環境が原因で水を飲みに行かなくなっている可能性もあります。水飲み場の場所や高さを見直すことも大切です。
口の痛みや体の痛みで飲みにくいことがある
歯が痛い、口の中に炎症がある、あるいは体のどこかが痛くて器に顔を近づけにくいといった理由で水を飲みにくくなっていることがあります。飲もうとするそぶりはあるのに飲めていない場合は、口や体の痛みが関係しているかもしれません。
脱水が疑われる場合は早めに相談する
水を飲まない状態が続くと、脱水が心配になります。ぐったりしている、歯ぐきが乾いている、尿が少ないまたは出ていないなどの場合は、早めに動物病院へ相談しましょう。
水を飲まないだけでなく、ご飯も食べない場合は、関連記事「老犬がご飯を食べない原因と対処法」も参考にしてください。

動物病院へ相談したいサイン
以下のようなサインが見られる場合は、老化だけと決めつけず、動物病院へ相談することをおすすめします。
- 水を飲む量が急に増えた
- 尿の量や回数が増えた
- トイレ失敗が増えた
- 水をほとんど飲まない
- ぐったりしている
- 元気や食欲が落ちている
- 嘔吐や下痢がある
- 歯ぐきが乾いている
- 尿が出にくい、血尿がある
これらの変化がある場合は、老化だけと決めつけず、早めに動物病院へ相談しましょう。
水分量の変化に加えて寝ている時間が増えた場合は、関連記事「老犬が寝てばかりいるのは大丈夫?」も確認しておくと安心です。
自宅でできる飲水量の測り方と記録方法
動物病院へ相談するときは、いつから、どのくらい飲む量が変わったのかを伝えられると状況を説明しやすくなります。難しい記録でなくても、入れた水の量、残った量、尿の回数をメモしておくと、状況を伝えやすくなります。
入れた水の量と残った量を確認する
朝に決まった量の水を器に入れ、夜に残った量を確認します。入れた量から残った量を引けば、その日の飲水量の目安がわかります。毎日続けることで変化に気づきやすくなります。
多頭飼いでは正確に測りにくい
複数の犬を飼っている場合、どの子がどれだけ飲んだかを正確に測るのは難しいです。その場合は、尿の回数や体調の変化を重点的に記録しましょう。
尿の回数・色・量も一緒にメモする
飲水量と合わせて、尿の回数・色・量も記録しておくと、動物病院での説明がしやすくなります。血尿や濁り、においの変化があった場合もメモしておきましょう。
いつから変化したかを記録する
いつから変化したかも記録しておくと、相談のときに伝えやすくなります。「最近なんとなく多い気がする」ではなく、「3日前から増えた」と伝えられると、獣医師も判断しやすくなります。
| 記録すること | 確認方法 | メモ例 |
|---|---|---|
| 水を入れた量 | 朝に計量して入れる | 500ml入れた |
| 残った量 | 夜に残量を確認 | 200ml残った |
| 食事内容 | ドライ・ウェット・ふやかし | 朝ドライ、夜ふやかし |
| 尿の回数 | トイレ回数を数える | 日中4回、夜2回 |
| 気になる変化 | 食欲・元気・嘔吐・下痢など | 食欲少なめ、寝ている時間が長い |

老犬が水を飲みやすい環境づくり
老犬は足腰が弱くなると、水飲み場まで移動するだけでも負担になることがあります。普段よく過ごす場所や寝床の近くに水を置いておくと、飲みに行きやすくなります。水飲み場を複数用意しておくと、移動距離が短くなるのでさらに飲みやすくなります。
首を下げにくい犬では、器の高さや形を見直すことも選択肢です。高さのある台や浅めの器が使いやすい場合もあります。水はこまめに入れ替え、清潔な状態を保ってください。
水を飲みたがらない場合は、ドライフードをふやかしたり、ウェットフードを取り入れたりすることで、食事から水分を補う方法もあります。
シニア犬の食事全体を見直したい場合は、関連記事「シニア犬に必要な栄養素5選」も参考にしてください。

やってはいけない対応
老犬の飲水量に変化があったとき、以下の対応は避けましょう。
水を飲みすぎるからと自己判断で制限しない
水を飲みすぎているように見えても、自己判断で水を制限するのは避けましょう。
飲水量が急に増えた場合は、原因を確認することが大切です。水を減らして様子を見るのではなく、飲水量や尿の変化を記録して動物病院へ相談しましょう。
飲まない状態を長く様子見しない
水を飲まない状態が長く続くと、脱水になるリスクがあります。「しばらく様子を見よう」と長引かせず、ぐったりしている、歯ぐきが乾くなどの様子があれば早めに相談しましょう。
人間用の飲み物で代用しない
ジュースやスポーツドリンク、お茶などを代用品として与えるのは避けましょう。犬に必要な水分は清潔な水が基本です。
サプリや薬で自己判断しない
「腎臓に良い」「水分補給に良い」などとうたうサプリや薬を、自己判断で与えることは避けましょう。症状によっては逆効果になることもあります。気になる場合は動物病院で相談してから使用しましょう。
老犬の水分量に関するよくある質問
老犬が水をたくさん飲むのは老化ですか?
老化だけで飲水量が増える場合もありますが、急に増えた場合や尿の量・回数も増えている場合は、腎臓やホルモン、糖代謝などに関係する病気が関連していることがあります。老化と決めつけず、続く場合は動物病院へ相談しましょう。
水を飲む量はどうやって測ればいいですか?
朝に決まった量の水を入れ、夜に残った量を確認すると目安になります。多頭飼いの場合は正確に測りにくいため、尿の回数や体調変化も一緒に記録しておくと、動物病院での説明に役立ちます。
ウェットフードを食べていると水を飲まなくなりますか?
ウェットフードやふやかしごはんから水分を取っている場合、水を飲む量が少なく見えることがあります。食事から水分を取れている場合もありますが、元気がない、尿が少ない、歯ぐきが乾くなどの場合は注意が必要です。
夜中に水を飲みに行くのは大丈夫ですか?
気温や食事内容によって夜に水を飲むことはあります。ただし、急に夜間の飲水や排尿が増えた場合は、飲水量と尿の変化を記録し、続くようであれば動物病院へ相談してください。
水を飲まないときにふやかしごはんは使えますか?
ふやかしごはんは水分を取り入れる方法のひとつです。ただし、食欲がない、嘔吐や下痢がある、ぐったりしている場合は、食事の工夫だけで様子を見すぎず、動物病院へ相談しましょう。
まとめ|水を飲む量の変化は、尿や体調の変化と一緒に見よう
老犬の水を飲む量は、食事内容や気温、活動量によって変わります。ただ、急に水をたくさん飲むようになった、反対にほとんど飲まなくなったという場合は、尿の量や回数、食欲、元気、体重の変化も一緒に見てください。
水をよく飲む状態が続くときは、多飲多尿が関係していることがあります。水を飲まない状態が続くときは、脱水や痛み、体調不良にも注意が必要です。
急な変化、元気や食欲の低下、血尿、尿が出にくい、ぐったりしている様子がある場合は、老化と決めつけず動物病院へ相談してください。
水を飲みすぎるように見えても、自己判断で水を制限するのは避けましょう。普段の飲水量を記録しておくと、変化に気づきやすくなり、相談するときにも説明しやすくなります。
水分量以外の変化もまとめて確認したい場合は、関連記事「高齢犬に出やすい症状・サイン10選」も参考にしてください。